「おうちでバードウォッチング」シリーズのひとつとして、曲の中に鳥が登場したり、題名に鳥の名前がついているクラシック音楽を紹介します。全部、YouTubeで聴くことができます。
@ベートーベン 交響曲6番「田園」
いわずと知れたベートーベンの超有名曲。この交響曲は全部で5つの楽章から出来ています。鳥が登場するのは第2楽章の終り頃。フルート、オーボエ、クラリネットが3種類の鳥の鳴き声をそれぞれ奏でます。何の鳥かは聞いてみてのお楽しみ。たぶんクラリネットが吹く鳥の声は皆さまもよくご存じの鳥です。
YouTube「ベートーベン 田園 サイモン・ラトル」で検索してみて下さい。23分30秒あたりから鳴きます。
Aレスピーギ 組曲「鳥」
イタリアの作曲家レスピーギが17世紀の曲を集めて編曲した組曲。第1曲「前奏曲」につづいて、第2曲「ハト」、第3曲「めんどり」、第4曲「サヨナキドリ」、第5曲「カッコウ」の5つの曲から成ります。特にカッコウがお勧め。僕がまだ高校生くらいのころ、FM愛知で「音楽の森」というクラシック番組が放送されていて、その冒頭に流れるテーマ音楽がこの曲の「カッコウ」でした。懐かしい1曲です。
YouTube「レスピーギ 鳥 オルフェウス」で検索してください。カッコウは14分あたりから始まります。
Bシベリウス 交響詩「トゥオネラの白鳥」
フィンランドの作曲家シベリウスの代表作です。しずかな雰囲気の中、イングリッシュホルンが奏でる美しいメロディは息苦しくなるくらい。朝もや立ち込める湖を泳ぐ白鳥の姿が目に浮かんできます。
YouTube「シベリウス トゥオネラの白鳥 NHK」で検索してみてください。NHK交響楽団の演奏映像が視聴できます。
Cヨゼフ・シュトラウス ワルツ「オーストリアの村つばめ」
ワルツ王ヨハン・シュトラウスの弟ヨゼフ・シュトラウスが作曲したワルツ。曲のなかでは鳥笛を使ってツバメの声を模しています。オーストリアの初夏が感じられる明るく楽しい1曲です。
YouTube「ヨゼフ・シュトラウス オーストリアの村つばめ ボスコフスキー」で検索してください。僕の大好きだったウィリー・ボスコフスキー指揮の演奏が聴けます。
Dレスピーギ 交響詩「ローマの松」
イタリアの作曲家レスピーギの代表作 交響詩「ローマの松」。この曲の第3部「ジャニコロの松」の終り頃に登場するのは、サヨナキドリ(ナイチンゲール)。演奏では録音した実際の鳥の声を流すことが多いです。
YouTube「レスピーギ ローマの松 ニューヨークフィル」で検索するとニューヨークフィルの名演奏が視聴できます。21分くらいの曲ですが、サヨナキドリが鳴くのは15分くらいのところ。続く第4部「アッビア街道の松」は圧巻の迫力です。トロンボーンがめちゃめちゃカッコいい。
では野鳥に思いをはせつつ、クラシック音楽をお楽しみください!
他にもまだたくさんあるので今後、紹介していきます。
鳥とクラシック その2はこちら
日本野鳥の会愛知県支部
「おうちでバードウィッチング」スタッフ一同。
2020年03月18日
鳥とクラシック音楽その1
posted by Ted at 21:34| Comment(0)
| その他
2020年03月01日
精密コアジサシデコイの修理
先日、愛知県支部の役員の方から、「今度、イベントで展示するコアジサシデコイの修理をしてほしい。」との依頼を受けました。
届いた箱をあけるとイメージしていたデコイとはまるで違って、すごく精密な作品でした。
明らかに職人さんによる手作り品です。

くちばしの先端が折れていますので、ここを修理します。
先端の薄い部分が欠けているので、普通にパテを盛っただけではすぐに取れてしまいます。
修理にはテクニックが必要です。

よく見ると尾羽の先端も折れていました。これはモデラーとして黙って見過ごす訳にはいきませんね。(笑)
ここも修理することにしました。

まず、くちばしの先端をヤスリで削ってたいらにします。

次に、たいらにしたクチバシの先端にドリルで直径1ミリの穴をあけます。補強の鉄芯を入れるためです。
ドリルをチャックしているピンバイスはかれこれ30年以上使っている愛用品です。

穴をあけたら、その穴に鉄芯を入れて瞬間接着剤で固定します。鉄芯はクリップをカットして作りました。

次にくちばしの先端となる材料をプラモデルのランナーから切り出して、同様にドリルで穴を開けます。

そしたら次は穴を開けたクチバシの先端材を、クチバシに差し込んだ鉄心に差し込み、瞬間接着剤で固定します。鉄心を入れることで強度が各段にアップします。またプラモデルの端材はポリスチレンで出来ているので、デコイの母材よりも強度があります。

この状態では、差し込んだクチバシ先端材ともともとのクチバシとの間に段差が出来ているので、エポキシパテを使って段差を埋めます。色の違う2種類の材料を混ぜ合わせると30分くらいで固まり始めて2〜3時間で硬化します。

尾羽にもパテを盛ってみました。

そして、一晩おいて、パテが完全に硬化するのを待ちます。
で、翌日の朝から作業開始! クチバシの形をカッターナイフとヤスリで整えていきます。
この作業がデコイ修理の核心部分であり、完成品の出来栄えを左右します。

最終調整として、前後左右のバランスを見ながらペーパーで形を慎重に整えていきます。

ひたすら削ること約4時間、ようやくクチバシの形が整い、先端は「トキントキン (名古屋弁)」になりました。(笑)。
シャープという意味です。

次は、尾羽です。尾羽もクチバシ同様に、カッターナイフとヤスリで形を整えていきます。

最後にアクリル溶剤系塗料「Mr.カラー」で色を塗って完成です。
これなら展示会に出展しても全く問題ないレベルでしょう。

尾羽部分

ツイッターコアジサシ&コアジサシ三等陸曹と記念写真。

これで、このコアジサシデコイを展示会で展示できるようになりました。
何の展示会かは現時点で言えませんが、後日、ホームページでも紹介させていただく予定です。
どうぞお楽しみに!
日本野鳥の会愛知県支部
副支部長 野澤徹也
<参考>
参考までに、過去にデコイ製作関連で書いたブログ記事のリンクを貼っておきます。
興味あったら御笑覧ください。
シャア専用デコイ
紅の豚
ウルトラマン
コアジサシ三等陸曹
ツイッターコアジサシ(コンテスト)
届いた箱をあけるとイメージしていたデコイとはまるで違って、すごく精密な作品でした。
明らかに職人さんによる手作り品です。

くちばしの先端が折れていますので、ここを修理します。
先端の薄い部分が欠けているので、普通にパテを盛っただけではすぐに取れてしまいます。
修理にはテクニックが必要です。

よく見ると尾羽の先端も折れていました。これはモデラーとして黙って見過ごす訳にはいきませんね。(笑)
ここも修理することにしました。

まず、くちばしの先端をヤスリで削ってたいらにします。

次に、たいらにしたクチバシの先端にドリルで直径1ミリの穴をあけます。補強の鉄芯を入れるためです。
ドリルをチャックしているピンバイスはかれこれ30年以上使っている愛用品です。

穴をあけたら、その穴に鉄芯を入れて瞬間接着剤で固定します。鉄芯はクリップをカットして作りました。

次にくちばしの先端となる材料をプラモデルのランナーから切り出して、同様にドリルで穴を開けます。

そしたら次は穴を開けたクチバシの先端材を、クチバシに差し込んだ鉄心に差し込み、瞬間接着剤で固定します。鉄心を入れることで強度が各段にアップします。またプラモデルの端材はポリスチレンで出来ているので、デコイの母材よりも強度があります。

この状態では、差し込んだクチバシ先端材ともともとのクチバシとの間に段差が出来ているので、エポキシパテを使って段差を埋めます。色の違う2種類の材料を混ぜ合わせると30分くらいで固まり始めて2〜3時間で硬化します。

尾羽にもパテを盛ってみました。

そして、一晩おいて、パテが完全に硬化するのを待ちます。
で、翌日の朝から作業開始! クチバシの形をカッターナイフとヤスリで整えていきます。
この作業がデコイ修理の核心部分であり、完成品の出来栄えを左右します。

最終調整として、前後左右のバランスを見ながらペーパーで形を慎重に整えていきます。

ひたすら削ること約4時間、ようやくクチバシの形が整い、先端は「トキントキン (名古屋弁)」になりました。(笑)。
シャープという意味です。

次は、尾羽です。尾羽もクチバシ同様に、カッターナイフとヤスリで形を整えていきます。

最後にアクリル溶剤系塗料「Mr.カラー」で色を塗って完成です。
これなら展示会に出展しても全く問題ないレベルでしょう。

尾羽部分

ツイッターコアジサシ&コアジサシ三等陸曹と記念写真。

これで、このコアジサシデコイを展示会で展示できるようになりました。
何の展示会かは現時点で言えませんが、後日、ホームページでも紹介させていただく予定です。
どうぞお楽しみに!
日本野鳥の会愛知県支部
副支部長 野澤徹也
<参考>
参考までに、過去にデコイ製作関連で書いたブログ記事のリンクを貼っておきます。
興味あったら御笑覧ください。
シャア専用デコイ
紅の豚
ウルトラマン
コアジサシ三等陸曹
ツイッターコアジサシ(コンテスト)
posted by Ted at 14:59| Comment(0)
| コアジサシ保護