2020年10月05日

メガソーラーの環境破壊 その4

2020年10月4日(日)、愛知県瀬戸市のメガソーラー建設予定地を視察しました。

案内していただいたのは、計画当初から地元で反対運動をされているUさんです。視察メンバーは日本野鳥の会愛知県支部の支部長、保護部の1名、普及企画部の1名、それに私の4名です。

メガソーラー設置計画場所は愛知県の北東、岐阜県土岐市との県境にあります。
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薄い緑で囲ってある区域がすべてメガソーラー設置予定地。総面積60ヘクタールでナゴヤドーム約13個分。森林伐採面積は30ヘクタールです。赤丸で囲った区域がUさんによる自然保護申し入れ区域です。
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上の地図の赤丸部分拡大図。この赤斜線エリアが自然保護申し入れ区域。落葉広葉樹の自然林としては瀬戸市内で最大級です。
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この区域は、春になるとオオルリやキビタキがたくさんやってきて繁殖をします。ムササビ、ニホンカモシカなどの哺乳類も生息しています。このエリア内を流れる蛇ケ洞川(じゃがほらがわ)の下流にはオオサンショウウオが生息しています。

自然保護申し入れ区域をUさんに案内してもらいました。
自然がいっぱいで美しいところです。
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蛇ケ洞川(じゃがほらがわ)。この川の下流にオオサンショウウオ生息地があります。
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この地方に生息する「トウノウネコノメ」。ネコノメソウの一種。3月になると黄色い花が咲きます。これ以外にもホンゴウソウ、シロバナナガバノスミレサイシン、アキノギンリョウソウなど希少な植物が自生しています。
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こんな素晴らしいところがメガソーラー設置で損なわれるなんて信じられない気持ちでした。

メガソーラー設置業者は、三重県鈴鹿市に本社のある「株式会社 鈴鹿」。
同社ホームページによると、電気設備事業や機械設備事業、土木・建設事業などを手掛ける会社です。メガソーラー事業としては三重県を中心に多数の施工を手掛けているようです。

株式会社鈴鹿としては、法律的には何も問題なくメガソーラー設置を進めています。すでにこの土地の買収は合法的に終わっていて、法的にこのメガソーラー設置を止める手立てはありません。

しかしながら、法的に問題なければお金もうけのために美しい自然を壊してしまっていいのだろうか、という素朴な疑問は残ります。

何より大きな犠牲を負わされるのはこの地域に生息する希少な植物、野鳥、その他たくさんの生き物たちです。

とはいえこのメガソーラー設置業者を責める気持ちは全くありません。悪いのは設置業者ではないのです。この状況を招いた根本原因の「固定価格買取制度」を作った2012年当時の政策が悪いのです。いまその代償を自然が負わされています。

ソーラー発電はたしかに燃料代がかからずCO2を排出しないクリーンな発電方法です。しかし貴重な自然を破壊してまで設置するのは本末転倒です。

さらにメガソーラーによる環境破壊に拍車をかけんばかりに再生可能エネルギーを礼賛するメディアがいます。そうしたメディアは再エネを礼賛する一方で国民が一律に負担を負わされている再エネ賦課金について言及することはありません。またメガソーラーによってどれだけ自然が破壊されているか言及することもありません。

ちなみに再エネ礼賛メディアは全く報道しないのですが、2018年度の固定価格買取制度による国民負担の再エネ賦課金総額は2.4兆円で、これは消費税1.1%に相当します。消費税1%あげるとなると国中が大騒ぎになりますが、実は国民が知らないうちにこんなにも徴収されているのです。経済産業省によると2020年度は標準家庭の年間負担額 9,288円/年と予想されています。たぶんほとんどの人は知らないでしょう。再エネ礼賛メディアが決して報道しない、「不都合な真実」です。

さて、瀬戸市メガソーラー問題に話を戻します。

株式会社 鈴鹿がどの程度、この申し入れ区域の保全に配慮して工事を進めるのか現段階では不明です。

同社ホームページの行動方針に、
「事業活動によって生じる環境に与える影響を認識し、環境汚染の予防に努めるとともに、環境保全活動を推進します。」との記載があります。

この言葉通りに同社が実践していただければ、きっとUさんの申し入れ区域は手つかずのまま保全され、蛇ケ洞川にはいっさい土砂が流入しないよう配慮された工事となるでしょう。
株式会社鈴鹿には、企業による利益追求と自然環境保全が両立可能であるということをぜひとも言葉通りにお示しいただきたいです。

この区域の生物たちを代表して、切に要望いたします。

日本野鳥の会愛知県支部


※併せてお読み下さい。「メガソーラーの環境破壊」

メガソーラーの環境破壊 その1
メガソーラーの環境破壊 その2
メガソーラーの環境破壊 その3







posted by Ted at 10:16| Comment(0) | メガソーラー