作品名「とみーへのオマージュ〜初音ミクコアジサシ」です。
とみーは愛知県支部役員のひとりで、今年の3月、電子工作を用いたデジタルアート作品「防犯コアジちゃん」を発表し、皆を驚かせました。人感センサーで人を検知するとコアジサシデコイがしゃべり、目や背中に仕込まれたLEDが点灯するという作品です。
とみー 「防犯コアジちゃん」

この「防犯コアジちゃん」にインスパイアされて試行錯誤の上、完成したのが今回の作品
「とみーへのオマージュ〜初音ミクコアジサシ」です。


コアジサシの背中などに取り付けたソーラーパネルが発電した電気で初音ミクの歌とコアジサシの声をミックスした音声が流れます。

マイコンボード arduino uno、MP3プレーヤー DFPlayer、三端子レギュレータ、スピーカーなどを使っています。電子工作の面白さを伝えるため、透明ケースに入れています。

クチバシの奥に仕込んだLEDによってアクリル導光棒で作ったクチバシ全体が光ります。

屋内ではパソコン電源を使用可能となっています。
デコイ改造、初音ミクの組み立て、ソーラーパネルを使った電子工作、と3つの要素を取り入れた作品となりました。
コアジサシの背中に乗った初音ミクと、羽根を大きく広げて飛び立つコアジサシとが象徴するものは、コアジサシ保護にかける愛知県支部の熱いパッションと、とみーのデジタルアートのセンスの融合です。
ソーラー電源で歌う初音ミクコアジサシ動画はこちら。

以下は、製作記事です。製作過程に興味ある方はどうぞご覧ください。
まず、飛翔するコアジサシのイメージをスケッチ。

次にコアジサシデコイを切断します。

切断したデコイを削り込んで、スケッチのイメージに近づけます。

クチバシはLEDで光らせるため、切断して、LEDを仕込むための穴をあけます。

穴をあけたコアジサシの頭部。正面からみると「ムンクの叫び」みたいでちょっと怖いですね。(笑)

切断したパーツを接着剤でつないで、エポキシパテで隙間を埋めます。写真は愛用の「タミヤ・エポキシ造形パテ」たくさん使うのでいつも徳用タイプを購入しています。

羽根をプラ板から削り出し。まずは紙で作ってからプラ板に写します。

Pカッターで削り出し。

だいたいイメージ通りに削り出すことができました。迫力を出すためにやや大きめの羽根にしました。
クチバシがないと顔が怖いため(笑)紙でクチバシを作って穴に差し込んであります。

胴体の造形。イメージ通りになるようひたすらヤスリとカッターナイフで削り込んでいきます。地味な根気作業ですが一番重要な工程です。

クチバシの奥にLEDを仕込むために、配線用の穴をあけます。この穴とクチバシに開けた穴がつながって、配線を通すことができます。

クチバシを作ります。写真はアクリル導光棒。今回は透明なタイプを使用します。

試しにLEDを棒の端に当ててみました。こんな感じでLEDの光が通ります。

この棒をクチバシの長さに切断し、クチバシの形になるよう削っていきます。アクリルは非常に硬いプラスチックのためカッターナイフでは歯がたちません。電動ルーターで削っていきます。

半日かかってやっとクチバシの形になりました。ホント、アクリル棒は硬いので苦労します。

LED用の配線を通します。

LEDをハンダ付け。このあと、LEDをクチバシの奥に押し込みます。

切り出した羽根の取付け。

羽根と胴体の隙間はパテで埋めます。

パテが固まったら、ヤスリとペーパーをかけて表面を仕上げます。

さてここからは初音ミクのプラモデルの組み立てです。Amazonで5,300円にて購入。

初音ミクの髪の毛専用塗料。ひとつ680円。結構高価ですがこういところにお金をケチってはいけませんね。

髪の毛の塗装。エアブラシで髪にコントラストをつけていきます。

スカート部分。すごく細かいです。

各パーツの作成。稼働部位が多くて部品点数がすごく多いです。

初音ミク、完成。

ここからはコアジサシの塗装です。まずは白で全体を塗装。
クチバシに仕込んだLEDに塗料がつかないようにダミーのクチバシを差し込んであります。

頭の黒いところを塗る準備です。マスキングテープでマスキング。

黒で頭部をエアブラシ。

羽根の上部のグレーを塗るための準備でマスキング。このあと、塗料のグレーをエアブラシで吹き付けます。

ソーラーパネルのテスト。300mWのソーラーパネル4枚を使っています。
写真には赤外線センサーが写っています。人を検知したら動作するようにしたかったのですが、ソーラーパネル発電では動作安定せず赤外線センサーは断念。音声制御はマイコンボードarduino unoとDFPlayer mini の組み合わせです。

透明ケースのスピーカー取付穴の穴あけ。この透明プラスチックは非常にもろくて亀裂が入りやすいので穴あけ加工には細心の注意が必要です。(実際、1度失敗して割れてしまい。買いなおしました。)

ケースにマイコンボードと配線ボードを取付、コアジサシの背中にソーラーパネルを貼り付けます。

初音ミクの歌はネットのフリー音源をダウンロード。
その音源とコアジサシの鳴き声を重ねあわせてSDカードに保存します。
ソーラーパネルとLEDの配線は支柱の中を通しています。

初音ミクを背中に乗せて、完成!

クチバシは青色LEDの光で先端まで光ります。

来年のコアジサシコロニー誘致成功に向けて歌え、初音ミク!羽ばたけコアジサシ!
日本野鳥の会愛知県支部「こあじさしデコイでアート」事務局