2021年09月11日

鳥とクラシック音楽その2

「おうちでバードウォッチング」シリーズのひとつとして、曲の中に鳥が登場したり、題名に鳥の名前がついているクラシック音楽を紹介します。全部、YouTubeで聴くことができます。

曲名に鳥の名前が付いていればネットで検索もしやすいですが、そうでないと検索にひっかかりませんね。そんなわけで今回は、「鳥とクラシック音楽 その2」として、曲名に鳥の名前が付いていないクラシックの名曲をご紹介します。


@ワーグナー作曲 楽劇『ジークフリート』から「森のささやき」
ワーグナーは楽劇『ニーベルングの指輪』という4部作の楽劇を作りましたが、この曲はそのうちの楽劇『ジークフリート』のなかに出てくる曲です。
フルート、クラリネット、オーボエが鳥の鳴き声を表現しています。
Yutubeのリンクはこちら 3:25 くらいから。
「森のささやき」



Aファリャ作曲 バレエ音楽『三角帽子』
カッコウはヨーロッパでも一般的な鳥のようです。
鳴き声を楽器で模写しやすいためか、カッコウの鳴き声はクラシック音楽にもよく登場しますね。
ファリャ『三角帽子』では、第2部の途中でメゾソプラノによって歌われます。
「♪ 夜、カッコウが鳴く
所帯持ちに、掛け金をしっかりしなさいと警告しながら
なぜなら、野盗は眠っていないから!
夜 カッコウが鳴く
カッコウ カッコウ カッコウ ♪」

曲冒頭のティンパニがカッコいいです。その後に続く「オレ!オレ!オレ!」の掛け声はバイオリンとビオラの人たちが楽器を置いて「オレ!オレ!オレ!」と言いながら手拍子をします。ずっと以前に名古屋フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聞いたときは感動しました。
YouTubeのリンクはこちら 22:30くらいからメゾソプラノが歌います。
『三角帽子』

『三角帽子』バレエ版 25:00くらいに歌います。


Bプロコフィエフ作曲『ピーターと狼』
ロシアの作曲家プロコフィエフが子供向けに作った曲です。オーケストラの楽器を紹介しながらナレーション付きで演奏されます。
曲のなかでは「小鳥」と「アヒル」が登場します。
「小鳥」ってなんだそれ、名前くらい付けてくれよ、と野鳥の会的には思わずツッコミをいれたくなりますね。(笑)たぶんプロコフィエフは鳥にあまり興味なく、小さな鳥は全部「小鳥」だったのでしょうか。
Youtubeのリンクはこちら 4:00くらいから「小鳥」 6:00くらいから「アヒル」
『ピーターと狼』



Cサン=サーンンス『動物の謝肉祭』
フランスの作曲家サン=サーンスの曲です。ナレーション付きで、いろんな鳥が登場します。
「雌鶏と雄鶏」ではニワトリ、「森の奥のカッコウ」では、カッコウ、「大きな鳥籠」では、たぶんヒバリ、「白鳥」では鳴き声というよりは、白鳥が湖で泳ぐ様子をチェロが表現します。超有名なので聞けば知らない人はいないでしょう。
この「白鳥」はバレエ「瀕死の白鳥」として振り付けもされています。
 「雌鶏と雄鶏」 2:41くらいから
 「森の奥のカッコウ」 12:28くらいから
 「大きな鳥籠」 14:55くらいから
 「白鳥」 20:10くらいから
Youtubeのリンクはこちら

バレエ『瀕死の白鳥』 草刈民代さんの美しすぎる「瀕死の白鳥」!
YouTubeのリンクはこちら


Dストラビンスキー バレエ音楽『火の鳥』
こちらはロシアの作曲家ストラビンスキーの有名曲です。
バレエのなかに登場する火の鳥は、赤い衣装を身に着けて、まるでファンタジーの世界にいるかのように踊ります。そして、ふと気づくと王子様に捕まえられて。。。というストーリー。
バレエの全曲版は、ゲルギエフ指揮のDVDが日本では入手可能です。
YouTubeリンクはこちら




EL. ハイドン作曲『おもちゃの交響曲』
(作曲者については諸説あります)
聞いたら、ああ、これ知ってる! という曲です。
たくさんのおもちゃの楽器がオーケストラと共演します。
その中でもやはり目立つのは、カッコウ!カッコウ!と鳴くおもちゃの笛です。
お勧めの映像では、インド人指揮者のズービン・メータが棒を振っています。
YouTubeのリンクはこちら
(指揮者のズービン・メータさんは、3.11の震災直後、多くの海外演奏家が演奏をキャンセルして帰国するなかで、NHK交響楽団によるチャリティー演奏会でベートーベン第9交響曲を指揮、多くの感動を日本人に与えてくれました。ホント涙物の演奏でした。)

Fロッシーニ作曲『ウィリアムテル序曲』
イタリアのオペラ作曲家ロッシーニの有名曲。
夜明け〜嵐〜牧歌〜スイス軍の行進、の4つに分かれていて、3つめ「牧歌」にフルートで鳥が美しくさえずります。っていうか、これは僕が勝手に鳥のさえずりと思い込んでるだけかもしれません。イングリッシュホルンを吹く牧童と、その周りと飛び回るフルートの小鳥、そんなイメージです。4つ目の「スイス軍の行進」は知らない人はいないほどの超有名曲。暗い気分のときはこの曲を聞いて楽しい気分になりましょう。
「牧歌」は 6:00くらいから
YouTubeのリンクはこちら


Gムソルグスキー作曲 組曲『展覧会の絵』から、「卵の殻をつけたヒナの踊り」
ロシアの作曲家ムソルグスキーの代表曲です。「卵の殻をつけたヒナの踊り」はその中の1曲。原曲はピアノ曲ですが、フランスの作曲家ラベルがオーケストラ版に編曲しました。
YouTubeのリンクはこちら

冨田勲のシンセサイザー編曲版では、ヒヨコがピヨピヨ鳴いたり、親ドリがクワッツクワッと鳴いて楽しいです。
YouTubeリンクはこちら


今回は、以上です。
気に入った曲がありましたら、ぜひ全曲を通して聞いてみましょう。
いろんな発見があると思いますよ。

こちらもご覧下さい。
鳥とクラシック その1
鳥とクラシック その3


日本野鳥の会愛知県支部 
「おうちでバードウィッチング」スタッフ一同。


posted by Ted at 09:18| Comment(0) | その他

2020年03月18日

鳥とクラシック音楽その1

「おうちでバードウォッチング」シリーズのひとつとして、曲の中に鳥が登場したり、題名に鳥の名前がついているクラシック音楽を紹介します。全部、YouTubeで聴くことができます。

@ベートーベン 交響曲6番「田園」
いわずと知れたベートーベンの超有名曲。この交響曲は全部で5つの楽章から出来ています。鳥が登場するのは第2楽章の終り頃。フルート、オーボエ、クラリネットが3種類の鳥の鳴き声をそれぞれ奏でます。何の鳥かは聞いてみてのお楽しみ。たぶんクラリネットが吹く鳥の声は皆さまもよくご存じの鳥です。

YouTube「ベートーベン 田園 サイモン・ラトル」で検索してみて下さい。23分30秒あたりから鳴きます。



Aレスピーギ 組曲「鳥」
イタリアの作曲家レスピーギが17世紀の曲を集めて編曲した組曲。第1曲「前奏曲」につづいて、第2曲「ハト」、第3曲「めんどり」、第4曲「サヨナキドリ」、第5曲「カッコウ」の5つの曲から成ります。特にカッコウがお勧め。僕がまだ高校生くらいのころ、FM愛知で「音楽の森」というクラシック番組が放送されていて、その冒頭に流れるテーマ音楽がこの曲の「カッコウ」でした。懐かしい1曲です。

YouTube「レスピーギ 鳥 オルフェウス」で検索してください。カッコウは14分あたりから始まります。

Bシベリウス 交響詩「トゥオネラの白鳥」
フィンランドの作曲家シベリウスの代表作です。しずかな雰囲気の中、イングリッシュホルンが奏でる美しいメロディは息苦しくなるくらい。朝もや立ち込める湖を泳ぐ白鳥の姿が目に浮かんできます。

YouTube「シベリウス トゥオネラの白鳥 NHK」で検索してみてください。NHK交響楽団の演奏映像が視聴できます。

Cヨゼフ・シュトラウス ワルツ「オーストリアの村つばめ」
ワルツ王ヨハン・シュトラウスの弟ヨゼフ・シュトラウスが作曲したワルツ。曲のなかでは鳥笛を使ってツバメの声を模しています。オーストリアの初夏が感じられる明るく楽しい1曲です。

YouTube「ヨゼフ・シュトラウス オーストリアの村つばめ ボスコフスキー」で検索してください。僕の大好きだったウィリー・ボスコフスキー指揮の演奏が聴けます。

Dレスピーギ 交響詩「ローマの松」
イタリアの作曲家レスピーギの代表作 交響詩「ローマの松」。この曲の第3部「ジャニコロの松」の終り頃に登場するのは、サヨナキドリ(ナイチンゲール)。演奏では録音した実際の鳥の声を流すことが多いです。

YouTube「レスピーギ ローマの松 ニューヨークフィル」で検索するとニューヨークフィルの名演奏が視聴できます。21分くらいの曲ですが、サヨナキドリが鳴くのは15分くらいのところ。続く第4部「アッビア街道の松」は圧巻の迫力です。トロンボーンがめちゃめちゃカッコいい。

では野鳥に思いをはせつつ、クラシック音楽をお楽しみください! 

他にもまだたくさんあるので今後、紹介していきます。

鳥とクラシック その2はこちら


日本野鳥の会愛知県支部
「おうちでバードウィッチング」スタッフ一同。


posted by Ted at 21:34| Comment(0) | その他

2018年08月14日

Roosting Swallow Watching

The Barn Swallow, the most common swallow in Japan, migrates from South East Asia to Japan every March. The Swallow uses man-made structure to breed from April to late July. After the breeding period, they make a large flock and fly back to their roost in a reed bed at sunset. Watching the roosting flock of Barn Swallows, called “Roosting Swallow Watching”, is a regular summer event for many birding clubs in Japan. And we just had our Roosting Swallow Watching on August-5-2018.

We got together at a park with a reed bed at 6:00 pm. The sunset time of the day was 6:52 pm and the swallow roosting usually begins 15-20 minutes before sunset. So we had a small lecture about the Barn Swallow for participants before the roosting began.
Here is a photo of the speaker, putting on a swallow headband with a picture card.
(The center person, putting on the swallow headband, is the club director, Niiomi-san)
Speaker with a swallow headband.jpg

Around 6:30 pm, a couple of swallows arrived on the sky and flied about on the reed bed. Now the swallow roosting began. Sitting on the lawn, we watched and enjoyed it.
6.30 pm.JPG

Gradually, the number of swallows increased, and the swallow roosting climaxed around 6:50 pm.
6.50pm.jpg
(Photo by Murakami-san)

Thousands of swallows flied around and dived into the reedbed one after another.
The only word we could say in this climax scene was “Incredible!”.
roosting climax.jpg
(Photo by Murakami-san)

After the climax, the number of roosting swallows gradually decreased, then the swallows in the reedbed became quiet around 7:30 pm.
(Photo by Murakami-san)
swallows in reedbed 7.30pm.jpg

This amazing swallow show can be seen during mid-summer, and gradually cannot be seen as summer is gone. And then, when their figure completely disappear, we feel autumn is coming in Japan.

T.N






posted by Ted at 22:39| Comment(0) | その他