2018年05月22日

旅立つシギ・チドリを見送る会「さよなら探鳥会」開催しました

2018年5月20日午後4時から、北の国へと旅立つシギ・チドリを見送る観察会「さよなら探鳥会」を藤前干潟にて開催しました。

天気は晴、南風がやや吹いていました。潮は満潮からの上げ潮でコンディションは申し分ありません。

まずは野鳥観察館前から干潟を観察しました。干潟ではチュウシャクシギ、キアシシギが採餌していました。

少しづつ北に移動しながらスロープ付近で陣取り、そこで旅立ちを待つことにしました。
干潟からはチュウシャクシギの鳴き交わしの「ピピピ」という澄んだ声が聞こえてきます。それに交じってダイゼンの「ピューイ」という声も聞こえてきました。

春の夕暮れどき、夕日に照らされながら干潟で鳴き交わすシギ・チドリの澄んだ声はなんとも言えぬ哀愁を感じさせ、聞くものの心を洗い流します。
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時刻は午後5時40分頃、鳴き交わしの声が大きくなったかと思うと、第1陣の群れ20羽弱が干潟を飛び立つと低く旋回を初めました。そして少しずつ高度をあげ、やがて堤防を越えて飛び去っていきました。旅立ちの瞬間です。後で写真で確認したところ、これはダイゼンの群れでした。
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干潟ではチュウシャクシギの鳴き交わしの声が大きくなってきました。すると40羽ほどの群れが飛び立って干潟上空を旋回し始めました。このまま旅立ちか、と思いきや干潟に降りる、そんなことを何度も繰り返します。
午後6時頃に再び60羽ほどの群れが舞い上がり、今度はかなりの高度で旋回を始めました。そして美しい隊列を組み、干潟から飛び去っていきました。感動の旅立ちの瞬間です。

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その後も次から次へとチュウシャクシギの群れは隊列を組んで飛んでいきました。

すぐ近くの干潟で採餌していたキアシシギ12羽も澄んだ声で、ピピピピーと鳴き交わし始めました。全く飛ぶ気配はなかったのですがその群れのうち、4羽が飛び立ったかと思うとアッという間に高度を上げて、干潟から飛び去っていきました。

日がかなり西に傾いた午後6時30分頃、観察を終了しました。

結局この日に飛び去った羽数は推定で、チュウシャクシギ140羽〜190羽、ダイゼン約20羽、キアシシギ4羽でした。

「さよなら探鳥会」の日に全く飛ばないこともあります。
今年は大当たりの「さよなら探鳥会」となり、生涯忘れられない一日となりました。

(チュウシャクシギ、ダイゼンの写真提供:愛知県支部 松村さん)


日本野鳥の会愛知県支部 http://www.wbsj-aichi.org/
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posted by Ted at 05:18| Comment(0) | 藤前干潟

2017年04月19日

藤前干潟の保全

ラムサール条約登録湿地である藤前干潟。ここで今問題になっていることがあります。

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シジミをとるために漁船で藤前干潟に侵入し、本格的な装備で根こそぎシジミを取っていく人たちがいるのです。

そのためか、ここ数年、シジミのような2枚貝を主食とするスズガモというカモの仲間が目に見えて減っています。

藤前干潟はラムサール条約登録湿地であると同時に特別鳥獣保護区にも指定され、そこの野生動物は厳重に保護されています。
ところがその保護されている野鳥の貴重な食糧源であるシジミの漁を規制する法律がないのです。
法的には問題がないため、シジミ漁をする人々に対して誰も何も言うことができません。

その結果、野鳥の数が減ってきているのです。

これでは一体何のためのラムサール条約登録かわかりません。

そこで、我々日本野鳥の会愛知県支部と藤前干潟に関連する自然保護団体は、このシジミ漁を規制するための
運動を展開することにしました。

まずは名古屋市に対して何らかの形で要望書を提出すべく今後活動していきます。

最終的な目標は、藤前干潟での漁やレジャーボートの侵入等を規制する条例を策定し、
藤前干潟をより野鳥が生息しやすい環境にすることです。

そのためには世論の力が必要です。

もしこの考えにご賛同いただけるならば、ぜひこの問題をSNS等で世の中に向けて発信して下さい。
お知り合いに新聞社や報道関係の方がいればこの問題を教えてあげて下さい。

そして世論の関心を藤前干潟の環境保全に向けていただければありがたいです。

どうぞよろしくお願いします!

日本野鳥の会愛知県支部 http://www.wbsj-aichi.org/
サギコロニー調査 http://herons-egrets.sakura.ne.jp/
ポートアイランドを野鳥の保護区にする活動 http://www.wbsj-aichi.org/port_island/page.html






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posted by Ted at 20:30| Comment(0) | 藤前干潟