天気は晴、南風がやや吹いていました。潮は満潮からの上げ潮でコンディションは申し分ありません。
まずは野鳥観察館前から干潟を観察しました。干潟ではチュウシャクシギ、キアシシギが採餌していました。
少しづつ北に移動しながらスロープ付近で陣取り、そこで旅立ちを待つことにしました。
干潟からはチュウシャクシギの鳴き交わしの「ピピピ」という澄んだ声が聞こえてきます。それに交じってダイゼンの「ピューイ」という声も聞こえてきました。
春の夕暮れどき、夕日に照らされながら干潟で鳴き交わすシギ・チドリの澄んだ声はなんとも言えぬ哀愁を感じさせ、聞くものの心を洗い流します。
時刻は午後5時40分頃、鳴き交わしの声が大きくなったかと思うと、第1陣の群れ20羽弱が干潟を飛び立つと低く旋回を初めました。そして少しずつ高度をあげ、やがて堤防を越えて飛び去っていきました。旅立ちの瞬間です。後で写真で確認したところ、これはダイゼンの群れでした。
干潟ではチュウシャクシギの鳴き交わしの声が大きくなってきました。すると40羽ほどの群れが飛び立って干潟上空を旋回し始めました。このまま旅立ちか、と思いきや干潟に降りる、そんなことを何度も繰り返します。
午後6時頃に再び60羽ほどの群れが舞い上がり、今度はかなりの高度で旋回を始めました。そして美しい隊列を組み、干潟から飛び去っていきました。感動の旅立ちの瞬間です。
その後も次から次へとチュウシャクシギの群れは隊列を組んで飛んでいきました。
すぐ近くの干潟で採餌していたキアシシギ12羽も澄んだ声で、ピピピピーと鳴き交わし始めました。全く飛ぶ気配はなかったのですがその群れのうち、4羽が飛び立ったかと思うとアッという間に高度を上げて、干潟から飛び去っていきました。
日がかなり西に傾いた午後6時30分頃、観察を終了しました。
結局この日に飛び去った羽数は推定で、チュウシャクシギ140羽〜190羽、ダイゼン約20羽、キアシシギ4羽でした。
「さよなら探鳥会」の日に全く飛ばないこともあります。
今年は大当たりの「さよなら探鳥会」となり、生涯忘れられない一日となりました。
(チュウシャクシギ、ダイゼンの写真提供:愛知県支部 松村さん)
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