2018年05月02日

シャア専用コアジサシデコイ

機動戦士ガンダムをリアルタイムで見ていた僕らの世代は、シャア専用、というキーワードを聞いただけで心がときめいてしまう。
シャア・アズナブル操る赤いシャア専用ザクは

「通常の3倍のスピード」だ。

だからシャア専用ザクは量産型ザクよりも3倍カッコいいのだ。


2年越しの夢が叶って、金型成形品によるデコイでのコアジサシ保護活動がスタートしたのは2017年秋。日野自動車グリーンファンドから助成金合格の知らせを受け取った日からだ。
これで成形品の量産型デコイでコアジサシ保護活動が出来る、そう思った。
日野自動車グリーンファンドさん、ありがとう!
コアジサシたちよ、俺たちが愛知県に安住の地を確保してやるぞ!


千葉県の大学のH先生のご協力でコアジサシデコイ原型モデルが完成、埼玉県の成形メーカー、阿久津樹脂工業さんに2017年12月、金型作成を依頼した。

1ヶ月半後、真っ白なテストショットの量産型コアジサシデコイが阿久津樹脂工業さんから届いた。
箱を開封してコアジサシデコイを初めて手にしたときは言いようのない感動を覚えた。

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感無量の思いでしばらく量産型デコイを見つめて、ふと思った。量産型?、、、量産型といえば量産型ザクだ。量産型ザクといえば、シャア専用ザク。シャア専用?、、、シャア専用、、、、シャア専用コアジサシ!? 、、、そうだ、シャア専用コアジサシを作ろう! そうすればこのコアジサシ保護プロジェクトは成功間違い無しだ、何たってシャア専用は通常の3倍のスピードなのだ。プロジェクトの成功の確率を3倍にするチャンスだ。


「チャンスは最大限に活かす、それが私の主義だ。」シャア・アズナブル


真っ白なコアジサシデコイと赤いシャア専用ザクとのイメージを頭の中で重ね合わせた。
一瞬でシャア専用コアジサシのイメージは出来上がった。

デコイの持つ美しいシルエットには一切手を加えずシャア専用ザクの雰囲気を最大限に表現することにした。
側頭部のホースはガンプラのパーツを流用、頭部の飾り羽はプラ板からの削り出しだ。
モノアイはザクを特徴付ける重要なポイントだ。単に丸を描くのではなく、プラ板を丸く削り出して貼り付けることでその存在感を出した。
全身はシャア専用を象徴する赤で、質感を出すためエアブラシを使ってムラなく塗った。
クチバシはもちろん黄色だ。クチバシまで赤だとコアジサシではなくなってしまう。これはあくまでもコアジサシだ。ザクではないのだ。

「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」 ランバ・ラル

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こうして完成したシャア専用コアジサシだが、愛知県支部の皆に受け入れられるか不安だった。
ふざけすぎだ、といわれる気がしていた。もしそう言われたらこうつぶやくつもりだった。

「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを。」


しかし愛知県支部の役員は拍手喝さいでシャア専用コアジサシを受け入れてくれた。
皆のふところの深さを感じ、思わず胸が熱くなった。
愛知県支部会員で本当に良かったと思った瞬間だった。

そしてこのコアジサシ保護プロジェクトの成功を確信した瞬間でもあった。

「勝利の栄光を、君に!」

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コアジサシ募金 一口1000円で未塗装のコアジサシデコイを1個、差し上げます。

申込み方法:
こちらの申込み画面から、発送先、募金の口数を記入して送って下さい。
デコイが到着したら募金額と送料を振り込みして下さい。

みんなでオリジナルのコアジサシデコイを作りましょう。

「大丈夫、あなたなら出来るわ。」 セイラ・マス


日本野鳥の会愛知県支部HP http://www.wbsj-aichi.org/
支部会員募集中! http://www.wbsj-aichi.org/recruite.html
posted by Ted at 08:13| Comment(0) | コアジサシ保護

2018年04月07日

キアシセグロカモメについて


ビッグイヤー愛知2018では、カウント出来る野鳥は日本鳥類目録 第7版に準拠しています。

この鳥類目録第7版に「種名 キアシセグロカモメ ( 学名 Larus cachinnans)」、「亜種 キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans mongolicus)」が記載されています。

今回はこの目録第7版の「キアシセグロカモメ」について説明します。

カモメ識別図鑑(氏原巨雄、氏原道昭 著)を参照すると、鳥類目録第7版の種名「キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans)」は、「カスピセグロカモメ」が該当し、亜種「キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans mongolicus)」は、「モンゴルセグロカモメ」が該当します。

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このカスピセグロカモメ、モンゴルセグロカモメのどちらも鳥類目録第7版では「キアシセグロカモメ」とよばれる範疇に含まれます。ですからカスピセグロカモメ、またはモンゴルセグロカモメを確認出来た場合は「キアシセグロカモメ」としてカウントして下さい。

ちなみにカスピセグロカモメは日本ではまれだそうです。ですからビッグイヤー愛知2018でカスピセグロカモメを「キアシセグロカモメ」としてカウントできるチャンスは非常に少ないと思われます。

脚が黄色だからといって、脚の黄色いセグロカモメやホイグリンカモメ(鳥類目録第7版ではニシセグロカモメ)をキアシセグロカモメと誤認しないようくれぐれも注意しましょう。

一方、モンゴルセグロカモメは「冬は日本全国で少数が見られる」(カモメ識別図鑑)とのことです。ですからここではモンゴルセグロカモメに関して、セグロカモメと比較したときの識別ポイントを記します。

カモメ識別図鑑(氏原巨雄、氏原道昭)以外では以下の図鑑が参考になります。
 
 ■GULLS OF THE WORLD (KLAUS MALLING OLSEN)
 ■GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA(KLAUS MALLING OLSEN)
 ■BIRDS OF EAST ASIA (MARK BRAZIL) 
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ではこれらの図鑑を参考にモンゴルセグロカモメのセグロカモメとの識別点を挙げます。

初列風切
初列風切のパターンは、GULLS OF THE WORLD、および GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA によると、セグロカモメとほぼ同じ、と記載されています。個体差間での重複もあり識別の参考にするには難しそうです。

脚の色
BIRDS OF EAST ASIAおよび、GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICAでは肉色に描かれており、GULLS OF THE WORLDの写真ではいずれも肉色です。カモメ識別図鑑では「足は黄色いものもいるが淡いピンクか肉色の個体が多い。」と記載されています。
論文「Phenotypic variation and systematics of Mongolian Gull (Yesou 2001)」によると、バイカル湖とモンゴル国内で捕獲したモンゴルセグロカモメの脚の色についての調査結果では、グレー22〜40%、黄色13〜27%、ピンク21〜46%、肉色4〜10%、それぞれが混じった色6〜30%となっています。比率に幅があるのは捕獲したコロニーごとの差、および年齢差のためです。よって脚の色も識別の参考にはならないと思われます。下記論文が引用先の原著です。モンゴルセグロカモメの写真が多数掲載されているので参考にしてください。

論文 モンゴルセグロカモメの表現型変異と系統分類学 (Yesou 2001)

背の色
「モンゴルセグロカモメの多くはセグロカモメより背の色が淡い。」(GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA)
また、GULLS OF THE WORLD では、KODAKグレースケールで背中の色を表しています。数が大きいほど濃くなります。それによるとモンゴルセグロカモメはグレースケール5〜6、セグロカモメはグレースケール5.5〜7(8)です。ということは平均的にモンゴルセグロカモメはセグロカモメと比較してやや淡いグレーとなります。
Yesouの論文では マンセルインデックスでグレーの度合いを比較しています。マンセルインデックスでは数が少ないほど濃くなります。モンゴルセグロカモメは4.5〜5.5、セグロカモメは5〜6です。つまりモンゴルセグロカモメはセグロカモメより背の色が濃いということになります。この両者の食い違いはサンプルリングした地域の個体差でしょうか。いずれにせよ背の色もあまり識別の参考にならないと思われます。
参考にYesouの論文からグレーの度合いを表した表を添付します。セグロカモメの亜種のうち日本で見られる亜種はセグロカモメ vegaeです。
(クリックで拡大)
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冬羽の斑点
「頭の班はセグロカモメより範囲は限定的で細く鋭い。冬半ばから夏羽に移行する傾向が強く頭の白さが目立つ」(カモメ識別図鑑)
「冬羽の班は通常薄く、首後部に限られる」(BIRDS OF EAST ASIA)
「冬羽でも頭部は白い。せいぜい首後部に薄い茶色の班が出る程度」(GULLS OF THE WORLD)

これは重要な識別点となりそうです。


「モンゴルセグロカモメは嘴に黒斑のある個体が多い」(カモメ識別図鑑)

これもよい識別点になりそうです。

全体の印象
「翼や嘴、足など全体的に多少長い印象に見える個体が多い」(カモメ識別図鑑)
「ボリュームのある胸、角度のついた前頭部とフラットな額、やや後方にある目、三列風切の段差が明確」(GULLS OF THE WORLD)
「休んでいるとき、初列風切の尾羽からの突き出しが長くスマートな印象」(BIRDS OF EAST ASIA)


識別の説明については以上です。

なかなか決定的な識別の決め手は難しそうですね。
冬羽での頭部の白さでモンゴルセグロカモメかも、とあたりをつけて、あとは写真を撮って全体の印象で判断する、という手順での識別になると思われます。

もうカモメシーズンもほぼ終わりなので今年の秋から12月にかけてはぜひともキアシセグロカモメ(モンゴルセグロカモメ)の識別にチャレンジしていただきよい結果を出してください。

ではビッグイヤー愛知2018の参加者の皆様のご健闘を祈ります。


日本野鳥の会愛知県支部 http://www.wbsj-aichi.org/index.html
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posted by Ted at 10:02| Comment(0) | その他

2018年04月02日

オーストラリアからのニュースレター

オーストラリアから「NSW Field Ornithologist Club Inc(NSW鳥類学者クラブ)」が発行しているニュースレターの最新号(April-May 2018)が届いたので掲載します。

表紙の絵はルリミツユビカワセミ(Azure kingfisher)です。大変に美しいカワセミですね。
他にもきれいな写真がたくさん載っているのでぜひご覧ください。
(クリックでダウンロード)
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このニュースレターの中にひとつ気になる記事がありました。

5ページ目の「How Many birds are Killed by Cats?」と題した記事です。
ざっと意訳して紹介します。


<意訳>
「2018年3月17日 オーストラリアン・バード・スタディ・アソシエーション(ABSA)会議でサラ・レギー博士は、オーストラリアの猫による捕食問題の概要と、それが野生動物減少にどんな意味を持つのかについて発表した。

・最初の植民船団によってオーストラリアに持ち込まれた猫は、1890年にはオーストラリア全域で生息するようになった。1879年にウサギが持ち込まれたことで猫の生息数は激増した。

・近代に絶滅した動物相の25%は主に猫が原因である。

・猫の生息数は乾季と雨季で大きく変動する。乾季には140万匹、雨季には560万匹までになる。繁殖パターンは多くの野鳥の種とは異なる。

・猫の数は、野生環境では210万匹、改変された土地では70万匹、飼い猫は390万匹、合計で670万匹。

・数千匹の猫の胃袋サンプル解析により、猫は1年間で129羽の野鳥を捕食することが立証された。よって猫によって捕食される野鳥の数は、猫の生息数の平均から算定して一日あたり100万羽、1年間で3億7700万羽となる。

・90憶から130憶と見積もられるオーストラリアの野鳥の約3.5%が猫によって毎年捕食されているということがこの研究と報告で示された。」 以上。


猫によって捕食される野鳥の数が半端じゃないですね。
オーストラリア政府は対策に乗り出しており、野猫の駆除対策を実施中です。

詳しくはこちらのオーストラリア政府のホームページ参照
http://www.environment.gov.au/biodiversity/invasive-species/feral-animals-australia/feral-cats

日本でも多くの希少種が野猫の犠牲になっていると聞きます。
参考に日本の環境省が作成した野猫パンフレットを添付します。

環境省パンフレット

この野猫問題は今後、もっと多数の方々が関心を持つべき事案と思われます。



日本野鳥の会愛知県支部ホームページ http://www.wbsj-aichi.org/
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