2018年05月19日

紅の豚コアジサシデコイ「飛ばねぇデコイはただのデコイだ」

舞台は1920年代のイタリア、アドリア海。
ある日、元イタリア空軍パイロットで今は賞金稼ぎのポルコ・ロッソは一本の電話を受ける。

「コアジサシ最後のコロニーがアイチケン空賊連合キギョーチョー団に狙われてる。ポルコ、すぐ飛んでくれ」

「安い仕事はやらねえぜ」

「コアジサシたちが誘拐されたんだ」

「そいつは、ちと高くつくぜ」

ポルコ・ロッソは、コアジサシ姿の真っ赤な飛行艇サボイアS21 に乗り込むと、コアジサシのコロニーをアイチケン空賊連合キギョーチョー団から救うため、アドリア海の青い空へと飛び立って行った。。。(続くかも)


思わずこんな空想をしてしまいそうな、オリジナルコアジサシデコイが完成しました。
「紅の豚」コアジサシデコイです。

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愛知県内の自然環境のコアジサシコロニーは開発によってほぼ壊滅しました。いまや自然環境とよく似た造成地がコアジサシたちのコロニーです。

コアジサシは毎年いろいろな造成地を探してコロニーを形成します。はるか遠くのオーストラリア方面から日本に渡ってきて繁殖場所をさがすコアジサシたち。

昨年、常滑市イオン前の造成地には数百羽のコアジサシが飛来し営巣をしました。ここは愛知県企業庁の管理する土地です。

今年はコアジサシが営巣できないよう、愛知県企業庁によってわざわざ盛り土がされていて、さらに追い払うための人の監視が付いています。
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遠い旅をして日本にやってきたあげく、自然の環境は開発され尽くし、造成地でも営巣できないように追い払われるコアジサシたち。コアジサシには何の罪もないのです。なぜこんな扱いを受けなければならないのでしょうか。

そんなコアジサシを守るヒーローがいたらいいなという空想から、コアジサシの魔法がかかった飛行艇を操る「紅の豚 ポルコ・ロッソ」というアイデアが生まれました。

作成には、金型による量産型コアジサシデコイ(材質:紙入りバイオプラスチック、 金型および成形:阿久津樹脂工業)とファインモールド社製のプラモデル「紅の豚 サボイアS21」を使用しました。
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ホテル・アドリアーノのマダム・ジーナと合って話をするマルコ。

「今日 連絡があったの。ベンガルで残骸が見つかったって。3年待ったわ。もう涙も かれちゃった」

「いいやつはみんな死ぬ」

マルコの乗ったサボイアS21はミラノに休暇に行く途中、アイチケン空賊連合キギョーチョー団にやとわれたアメリカ人のカーチスに襲われ、不時着、飛行艇は大破した。

2日後、マルコはジーナに電話をかける。

「マルコ、今にローストポークになっちゃうから…私イヤよ そんなお葬式」

「飛ばねえデコイは、ただのデコイだ」

「バカ!!!」



「紅の豚」オリジナルサウンドトラック。デコイ作成中はずっと聞いていました。
久石 譲の美しい音楽とコアジサシの美しさはベストマッチです。
https://www.youtube.com/watch?v=VX13gFCsL8I
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コアジサシの営巣をじゃまするアイチケン空賊連合キギョーチョー団をやっつけてくれる、”紅の豚”ポルコ・ロッソ。

本当にかっこいい。

「カッコイイとは、こういうことさ」



posted by Ted at 14:30| Comment(0) | コアジサシ保護

2018年05月02日

シャア専用コアジサシデコイ

機動戦士ガンダムをリアルタイムで見ていた僕らの世代は、シャア専用、というキーワードを聞いただけで心がときめいてしまう。
シャア・アズナブル操る赤いシャア専用ザクは

「通常の3倍のスピード」だ。

だからシャア専用ザクは量産型ザクよりも3倍カッコいいのだ。


2年越しの夢が叶って、金型成形品によるデコイでのコアジサシ保護活動がスタートしたのは2017年秋。日野自動車グリーンファンドから助成金合格の知らせを受け取った日からだ。
これで成形品の量産型デコイでコアジサシ保護活動が出来る、そう思った。
日野自動車グリーンファンドさん、ありがとう!
コアジサシたちよ、俺たちが愛知県に安住の地を確保してやるぞ!


千葉県の大学のH先生のご協力でコアジサシデコイ原型モデルが完成、埼玉県の成形メーカー、阿久津樹脂工業さんに2017年12月、金型作成を依頼した。

1ヶ月半後、真っ白なテストショットの量産型コアジサシデコイが阿久津樹脂工業さんから届いた。
箱を開封してコアジサシデコイを初めて手にしたときは言いようのない感動を覚えた。

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感無量の思いでしばらく量産型デコイを見つめて、ふと思った。量産型?、、、量産型といえば量産型ザクだ。量産型ザクといえば、シャア専用ザク。シャア専用?、、、シャア専用、、、、シャア専用コアジサシ!? 、、、そうだ、シャア専用コアジサシを作ろう! そうすればこのコアジサシ保護プロジェクトは成功間違い無しだ、何たってシャア専用は通常の3倍のスピードなのだ。プロジェクトの成功の確率を3倍にするチャンスだ。


「チャンスは最大限に活かす、それが私の主義だ。」シャア・アズナブル


真っ白なコアジサシデコイと赤いシャア専用ザクとのイメージを頭の中で重ね合わせた。
一瞬でシャア専用コアジサシのイメージは出来上がった。

デコイの持つ美しいシルエットには一切手を加えずシャア専用ザクの雰囲気を最大限に表現することにした。
側頭部のホースはガンプラのパーツを流用、頭部の飾り羽はプラ板からの削り出しだ。
モノアイはザクを特徴付ける重要なポイントだ。単に丸を描くのではなく、プラ板を丸く削り出して貼り付けることでその存在感を出した。
全身はシャア専用を象徴する赤で、質感を出すためエアブラシを使ってムラなく塗った。
クチバシはもちろん黄色だ。クチバシまで赤だとコアジサシではなくなってしまう。これはあくまでもコアジサシだ。ザクではないのだ。

「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」 ランバ・ラル

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こうして完成したシャア専用コアジサシだが、愛知県支部の皆に受け入れられるか不安だった。
ふざけすぎだ、といわれる気がしていた。もしそう言われたらこうつぶやくつもりだった。

「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを。」


しかし愛知県支部の役員は拍手喝さいでシャア専用コアジサシを受け入れてくれた。
皆のふところの深さを感じ、思わず胸が熱くなった。
愛知県支部会員で本当に良かったと思った瞬間だった。

そしてこのコアジサシ保護プロジェクトの成功を確信した瞬間でもあった。

「勝利の栄光を、君に!」

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コアジサシ募金 一口1000円で未塗装のコアジサシデコイを1個、差し上げます。

申込み方法:
こちらの申込み画面から、発送先、募金の口数を記入して送って下さい。
デコイが到着したら募金額と送料を振り込みして下さい。

みんなでオリジナルのコアジサシデコイを作りましょう。

「大丈夫、あなたなら出来るわ。」 セイラ・マス


日本野鳥の会愛知県支部HP http://www.wbsj-aichi.org/
支部会員募集中! http://www.wbsj-aichi.org/recruite.html
posted by Ted at 08:13| Comment(0) | コアジサシ保護

2018年04月07日

キアシセグロカモメについて


ビッグイヤー愛知2018では、カウント出来る野鳥は日本鳥類目録 第7版に準拠しています。

この鳥類目録第7版に「種名 キアシセグロカモメ ( 学名 Larus cachinnans)」、「亜種 キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans mongolicus)」が記載されています。

今回はこの目録第7版の「キアシセグロカモメ」について説明します。

カモメ識別図鑑(氏原巨雄、氏原道昭 著)を参照すると、鳥類目録第7版の種名「キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans)」は、「カスピセグロカモメ」が該当し、亜種「キアシセグロカモメ (学名 Larus cachinnans mongolicus)」は、「モンゴルセグロカモメ」が該当します。

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このカスピセグロカモメ、モンゴルセグロカモメのどちらも鳥類目録第7版では「キアシセグロカモメ」とよばれる範疇に含まれます。ですからカスピセグロカモメ、またはモンゴルセグロカモメを確認出来た場合は「キアシセグロカモメ」としてカウントして下さい。

ちなみにカスピセグロカモメは日本ではまれだそうです。ですからビッグイヤー愛知2018でカスピセグロカモメを「キアシセグロカモメ」としてカウントできるチャンスは非常に少ないと思われます。

脚が黄色だからといって、脚の黄色いセグロカモメやホイグリンカモメ(鳥類目録第7版ではニシセグロカモメ)をキアシセグロカモメと誤認しないようくれぐれも注意しましょう。

一方、モンゴルセグロカモメは「冬は日本全国で少数が見られる」(カモメ識別図鑑)とのことです。ですからここではモンゴルセグロカモメに関して、セグロカモメと比較したときの識別ポイントを記します。

カモメ識別図鑑(氏原巨雄、氏原道昭)以外では以下の図鑑が参考になります。
 
 ■GULLS OF THE WORLD (KLAUS MALLING OLSEN)
 ■GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA(KLAUS MALLING OLSEN)
 ■BIRDS OF EAST ASIA (MARK BRAZIL) 
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ではこれらの図鑑を参考にモンゴルセグロカモメのセグロカモメとの識別点を挙げます。

初列風切
初列風切のパターンは、GULLS OF THE WORLD、および GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA によると、セグロカモメとほぼ同じ、と記載されています。個体差間での重複もあり識別の参考にするには難しそうです。

脚の色
BIRDS OF EAST ASIAおよび、GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICAでは肉色に描かれており、GULLS OF THE WORLDの写真ではいずれも肉色です。カモメ識別図鑑では「足は黄色いものもいるが淡いピンクか肉色の個体が多い。」と記載されています。
論文「Phenotypic variation and systematics of Mongolian Gull (Yesou 2001)」によると、バイカル湖とモンゴル国内で捕獲したモンゴルセグロカモメの脚の色についての調査結果では、グレー22〜40%、黄色13〜27%、ピンク21〜46%、肉色4〜10%、それぞれが混じった色6〜30%となっています。比率に幅があるのは捕獲したコロニーごとの差、および年齢差のためです。よって脚の色も識別の参考にはならないと思われます。下記論文が引用先の原著です。モンゴルセグロカモメの写真が多数掲載されているので参考にしてください。

論文 モンゴルセグロカモメの表現型変異と系統分類学 (Yesou 2001)

背の色
「モンゴルセグロカモメの多くはセグロカモメより背の色が淡い。」(GULLS OF EUROPE, ASIA, AND NORTH AMERICA)
また、GULLS OF THE WORLD では、KODAKグレースケールで背中の色を表しています。数が大きいほど濃くなります。それによるとモンゴルセグロカモメはグレースケール5〜6、セグロカモメはグレースケール5.5〜7(8)です。ということは平均的にモンゴルセグロカモメはセグロカモメと比較してやや淡いグレーとなります。
Yesouの論文では マンセルインデックスでグレーの度合いを比較しています。マンセルインデックスでは数が少ないほど濃くなります。モンゴルセグロカモメは4.5〜5.5、セグロカモメは5〜6です。つまりモンゴルセグロカモメはセグロカモメより背の色が濃いということになります。この両者の食い違いはサンプルリングした地域の個体差でしょうか。いずれにせよ背の色もあまり識別の参考にならないと思われます。
参考にYesouの論文からグレーの度合いを表した表を添付します。セグロカモメの亜種のうち日本で見られる亜種はセグロカモメ vegaeです。
(クリックで拡大)
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冬羽の斑点
「頭の班はセグロカモメより範囲は限定的で細く鋭い。冬半ばから夏羽に移行する傾向が強く頭の白さが目立つ」(カモメ識別図鑑)
「冬羽の班は通常薄く、首後部に限られる」(BIRDS OF EAST ASIA)
「冬羽でも頭部は白い。せいぜい首後部に薄い茶色の班が出る程度」(GULLS OF THE WORLD)

これは重要な識別点となりそうです。


「モンゴルセグロカモメは嘴に黒斑のある個体が多い」(カモメ識別図鑑)

これもよい識別点になりそうです。

全体の印象
「翼や嘴、足など全体的に多少長い印象に見える個体が多い」(カモメ識別図鑑)
「ボリュームのある胸、角度のついた前頭部とフラットな額、やや後方にある目、三列風切の段差が明確」(GULLS OF THE WORLD)
「休んでいるとき、初列風切の尾羽からの突き出しが長くスマートな印象」(BIRDS OF EAST ASIA)


識別の説明については以上です。

なかなか決定的な識別の決め手は難しそうですね。
冬羽での頭部の白さでモンゴルセグロカモメかも、とあたりをつけて、あとは写真を撮って全体の印象で判断する、という手順での識別になると思われます。

もうカモメシーズンもほぼ終わりなので今年の秋から12月にかけてはぜひともキアシセグロカモメ(モンゴルセグロカモメ)の識別にチャレンジしていただきよい結果を出してください。

ではビッグイヤー愛知2018の参加者の皆様のご健闘を祈ります。


日本野鳥の会愛知県支部 http://www.wbsj-aichi.org/index.html
新規会員募集中です! 仲間に入りませんか。 http://www.wbsj-aichi.org/recruite.html


























posted by Ted at 10:02| Comment(0) | その他